個人事業主が税理士に依頼するタイミングを解説|税理士に依頼するメリット・デメリット

税理士って必要なのかな…。

どういう基準で税理士に依頼すればいいんだろう。

今このように悩んでいませんか?

私も現在個人事業主をやっていますが、税理士さんに記帳や確定申告を依頼するタイミングや選び方はすごく迷いました。

みお
みお
毎月の顧問料や確定申告の金額の相場もわからず、ただひたすら色々な税理士さんと面談してかなり遠回りな決め方をしました。。。

そこで、私が顧問契約している税理士さんへ『個人事業主が税理士と顧問契約するタイミングや選び方』を詳しく聞いてきましたので、ぜひ税理士選びの参考にしてみてください。

個人事業主はあくまでも経営者です。

お金の把握をする上でも税理士さんとの関係はすごく重要で、いかに”経営に集中できる環境を作れるか“です。

こういったことを含め、個人的にはある程度事業を広げていくなら税理士への依頼は欠かせないと思っています(だからこそ契約した)。

その他にも個人事業主にとって気になる節税や、法人化のタイミングも合わせて聞いてきたので、ぜひ参考にしてください。

個人事業主が税理士に依頼するべきタイミング

日下会計事務所の所長 日下税理士写真:日下会計事務所 日下税理士

筆者:早速、個人事業主が税理士さんに依頼するべきタイミングを、税理士さん目線でお伺いしたいのですが。

日下税理士:事業内容にもよりますが、開業して事業規模が大きくなってきた時や、法人化を考え出すタイミングが一番依頼も多く、目安としてわかりやすいかと思います。

筆者:『事業規模が大きくなってきた時』というのは具体的にどの程度を指すのでしょうか?

日下税理士:これはあくまでも目安ですが、年間の利益が600万円を超えたあたりが考え始めるべきタイミングだと思います。

年間600万円の利益になってくれば、それだけ売上もあり、経費等も増えてくる為、事業主一人で記帳したり、財務の把握をするのに支障が出てくる可能性があるからです。

また、年間600万円の利益が出てくるとなると、節税の点から考えても税理士に相談するメリットは大いにあります。

筆者:逆に言うと、年間600万円の利益がなければ税理士に依頼するメリットはないと?

日下税理士:ないとは言いませんが、税理士と顧問契約をして節税のアドバイスをしてもらう時の費用対効果を考えると、自分で記帳や確定申告をした方がメリットが大きいと思います。

ただ、事業に集中したいということであれば、税理士に全て任せるのも全然有りです。

筆者:それでは、簡単に個人事業主にかかる税金等を教えてもらえますか?

日下税理士:個人事業主にかかる税金には3つの種類があります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 事業税

その他に、国民健康保険や国民年金も個人事業主が支払うものに含まれます。

筆者:例えば、先程話に上がった年間600万円の利益(収入)だった場合、どの程度の節税が可能になるでしょうか?

日下税理士年間600万円の利益があった場合で白色申告の人だと、これを青色申告(65万控除)に変更するだけで約20万円ほどの節税が可能になります。

筆者:青色申告(65万控除)にするだけで20万円も支払う税金が変わるんですね。じゃあ65万控除を使わないと絶対にもったいないですよね。

日下税理士:そうなんですよ。ただし、65万円控除の青色申告に関しては複式簿記での確定申告になる為、何も知識がない人が行うには難しいというデメリットがあります。

その他にも、法人化を行えば更にかかってくる税金を下げる方法もあります。だからこそ、そういうときに税理士に相談してほしいですね。

個人事業主が利用できる節税効果のあるもの

筆者:話は変わりますが、個人事業主ができる節税対策って何があるのでしょうか?

日下税理士:個人事業主の方がよく利用するものとして、小規模企業共済や倒産防止共済(経営セーフティ共済)、iDeCoなどがあります。

この中で一番多く利用されているのは小規模企業共済です。年間84万円まで所得の控除ができる為、まだ未加入の方で支払いに余裕がある個人事業主の方は節税に役立ちますよ。

筆者:小規模企業共済は私も入っています。その他にもふるさと納税をしたり、寄付をしたり控除対象なものは積極的に活用しています。

ただ、小規模企業共済はこの年の節税にはなると言っても、解約した時にはもちろん税金はかかってきますよね?

日下税理士:もちろんです。ただ、経営をしていく中で当然事業収益の波があると思うので、そういった時の為に積立しておくのは経営においてとても大切なものです。

筆者:なるほど。経営においてはそういった視点も大切ですよね。ついつい節税の為だけの感覚になっていましたが、先を見越して余裕があるときに積立するのは大事ですね。

日下税理士:個人事業主では先程説明した3つが節税に使える主な控除対象になりますが、法人化した場合には生命保険なども控除の扱いにできるので、そういった面を考えてもある程度経営が波に乗ってきたら法人化の検討は必要でしょう。

個人事業主が法人化を検討するタイミング

筆者:個人事業主にとって法人化するタイミングはすごく興味がある内容なんですが、税理士さんの視点から見て、法人化するメリットは何があるんでしょうか?

日下税理士:法人にするメリットには、役員報酬と法人に残すお金を分けることで税金を下げることや、配偶者へも給料を渡すことで更に所得税を下げることもできます。

例えば、先程と同じように年間600万円の利益(売上ではなく利益)があった場合に、個人事業主だと以下のように131万円以上の税金がかかることになります。

個人事業主 事業主 合計
(単位千)
所得金額 6,000 6,000
所得控除 400 400
基礎控除 380 380
所得税 629 629
住民税 527 527
事業税 155 155
税金合計 1,311(21.9%) 1,311(21.9%)
手取り額 4,689 4,689

筆者:個人事業主では600万円の利益に対して131万円以上の税金が取られるんですね。ここから更に国民年金や国民健康保険料もかかると考えると、かなり苦しいですよね。

日下税理士:一方で同じ利益で比べた場合、法人化するとこれだけ支払う税金が変わってきます。

個人事業主 法人 社長 合計
(単位千)
法人所得 1,200 6,000
給与収入 4,800 4,800
所得控除額 400 400
基礎控除 380 380
法人/所得税 188 158 346
住民税 93 257 350
事業税 58 58
税金合計 339(28.3%) 415(8.6%) 754
手取り額 4,385 4,385

※平成30年4月時点の税制に基づいて試算

日下税理士:あくまでも上記の表はより簡単にわかりやすくしたものですが、同じ利益だったとしても支払う税金は55万円以上も安くなってきます。

もし配偶者がいれば、給与を分けることによって更に税金を下げることも可能になるのです。このように考えると年間600万円程度の利益が出ているなら法人化しても良いのではないのかと考えています。

更には、法人化することで対外的な印象も良くなります。中には法人としか契約してくれない企業もありますので、個人事業主よりは信用も得られるでしょう。

筆者:ここに社会保険料がかかることを考えても、確かに支払う税金等を考えると法人化する方がメリットがあるのかなと感じます。

逆に法人化するデメリットはないのでしょうか?

日下税理士:法人化するデメリットですか。ある程度の売上があれば特に無いように思いますが、あえて言うなら税理士報酬が若干高くなることでしょうか。(笑)

筆者:私も法人化したときには税理士報酬が高くなるってことですよね。(笑)

メモ

個人事業主が法人化する上で感じるデメリットと言えば、社会保険料の加入や赤字決算だとしても法人住民税(7万円)の支払いがある為、ぜひ税理士さんなどの専門家に相談した上で判断しましょう。

個人事業主が税理士に依頼するメリット

筆者:それでは、個人事業主の話に戻りたいと思います。

個人事業主の方にとって税理士さんに依頼するメリットは何があるのでしょうか?

日下税理士:個人事業主の方は確定申告の煩雑さから、白色や10万円控除の青色申告を行っている方が多くいます。

先程もお伝えしたように、これを65万円の青色申告に変更するだけで大きく節税になるため、税理士報酬との兼ね合いや、ご自身で記帳、申告する手間を考えたときの費用対効果を踏まえた上で税理士に依頼すればよりメリットは大きいかなと思います。

筆者:税理士さんと顧問契約をすれば何をしてくれるのでしょうか?

日下税理士:これは契約によって変わってくるのですが、お任せいただければ毎月の記帳や月次決算の作成、確定申告まで全て税理士が行います。毎月決算書を作成する為、経営状況の把握がしやすくなることもメリットだと思います。

筆者:それは全て税理士さんに丸投げした場合ってことですね。

はじめは税理士さんに依頼するのではなく、お金の流れ等の把握する為にまずは自分で全て行った方が良いって聞くんですが、この点についてはどう思われますか?

日下税理士:もちろん、事業主の方はお金の流れ・財務を知るという意味ではご自身で記帳されたり、確定申告をしたりするのは良いことだと思います。

ただ、売上規模が大きくなってきたり、事業が忙しくなってきたりした場合に、記帳や確定申告書などを作成するのが難しくなってきたり、経費として含めてはいけないものを含めてしまったり、間違いを起こすケースが増える可能性があります。

個人事業主は経営者である為、お金の流れや財務を把握するのは非常に重要ですが、それよりもいかに事業主に集中するかの方が重要だと考えています。

その点、税理士に依頼することでそういった財務の把握をしやすくなるので、より事業に集中してもらえるのではないかと思います。

個人事業主が税理士と顧問契約する時の料金相場

筆者:事業規模が大きくなってきたり、法人化を考えたときに税理士さんと顧問契約した方が良いというお話ですが、税理士さんとの顧問契約はどのくらいに料金が相場なのでしょうか?

日下税理士:顧問契約の料金相場は契約内容や地域、業種、規模によって大きく変わってきます。

例えば、保険の営業マンがいたとしますよね。彼らは会社員ではなく1個人事業主という扱いなので確定申告をしないといけません。会社からお給料的なものをもらいますが、それが売上の扱いになります。

しかし、保険の営業マンであればそれほど事業に経費はかかりませんよね。なので、確定申告だけを税理士に依頼するケースが多いのです。その他にもサラリーマンが行っている不動産賃貸業も同様なケースが多いです。

このような業種で確定申告だけを依頼するケースであれば3万円~が相場になるかと思います。しかし、事業もある程度大きく、経費なども多くかかっている場合には、約10万円~が相場になるでしょう。

筆者:例えば、毎月の記帳や月次決算の作成、確定申告までを全て依頼した場合のケースだとどのくらいの料金がかかりますか?

日下税理士:同じように業種によって変わってきますが、だいたい月1万円程度~、確定申告時に10万円~が相場になります。

  • 顧問料(月):1万円~
  • 確定申告書作成&代行:10万円~

筆者:年間で約22万円くらいの税理士報酬が相場ってことですね。全て丸投げした場合だと、自分でやることと言えば、毎月の領収書や売上の整理、それらを税理士さんに送付するだけで良いので楽ですよね。

丸投げであったとしても確定申告時に税務署へ行かないといけないとは思っていたので、それも不要だと教えられたときはかなり嬉しかったのを覚えています。

日下税理士:確定申告を税理士へ依頼している場合は、税務署へ行く必要もなくなります。これが自身で行う場合だと、丸1日かかることもありえる為、事業に支障をきたす可能性もありますよね。

また、当会計事務所ではこのような金額が相場となりますが(もちろん業種や規模によって異なる)、もちろんこれより報酬が高くなる税理士法人も多くありますので、一概に「コレ!」と言える相場はないかもしれません。

その他にも、顧問先への訪問の有無によっても変わってきます。年に1度や2度の訪問数によっても変わってきますし、必要や予算によって税理士と相談するのがおすすめです。

税理士の選び方で気をつけたいこと

筆者:私のような個人事業主を含め、税理士さんと契約するのは結構大きなことだと思っています。しかもかなり重要な。

そこで税理士さん側の意見としてお聞きしたいのですが、税理士さんを選ぶ際に気をつけるべきポイントなどはありますか?

日下税理士:税理士側の意見ですか(笑)

私から言うのもおかしいかもしれませんが、少なくても契約前に3人程度は面談した方が良いと思います。一括りに税理士と言っても意見が違うことも少なくありません。

事業内容への理解や、意見をしっかり聞いたり話してくれるかどうかなどを含め、ご自身に合う税理士を見極めるには会って話をするのが一番確実かと思います。

筆者:事業内容への理解は大事ですよね。それに実際に会って雰囲気が合わない税理士さんもいると思うので、波長が合う、合わないも結構重要だと感じます。

逆に、こういう税理士さんは気をつけた方が良いってありますか?

日下税理士:んー…あるにはあるんですが…。(笑)

筆者:税理士業界的に言いづらいですよね。(笑)

日下税理士:税理士業務を行っている側から言えば、毎月の税理士報酬が安すぎるという所は気をつけた方が良いかもしれませんね。税理士業務というのは判断業務なんです。

例えば、必要経費に含まれるかどうかの判断は難しいものです。この判断を間違えてしまうと後々面倒になるケースも多くあります。

毎月の税理士報酬が極端に安い(数千円程度)だと、税理士資格のないパートさんなどに入力作業をさせているケースが多々あるので、税務の判断ができず間違った入力を行ってしまう可能性も高いです。

後々の手間を考えた場合には、ちゃんと税理士が経費等の入力の際に判断してくれているところに依頼するほうが確実で安心だと思います。そういった内容こそ、面談で聞いてみると良いでしょう。

筆者:確かにそれは怖いですね。顧問契約をすると長い間お世話になることになるので、税理士選びは慎重にした方が良いですね。

日下税理士:契約によって変わってきますが、実は税理士との顧問契約はいつでも好きなときに解約できるようになっています(中には契約で数ヶ月前に告知が必要なケースも有)。

筆者:じゃあ来月から違う所に依頼しますって言ってもそれが通るんですか?

日下税理士:はい。当会計事務所でもいつでも顧問契約の解約はできるようになっています。嫌がる人を止めるわけにもいかないので。(笑)

筆者:もし解約をした場合には、それまで作成してもらっていた月次決算などは全てもらえるんですか?

日下税理士:もちろんその月まで顧問契約していたわけなので、全てお渡しして次の税理士さんに引き継ぎがしやすいようになっていますよ。

一般の方からすると税理士選びはとても難しいように感じると思いますが、まずは色々と話を聞いてみてご自身に合うところを探してみるのが一番良い方法かと思います。

それでもし合わないと感じたら解約もできるので、難しく考えずにまずは色んなところへ相談してみてください。

日下会計事務所のアピールポイント

筆者:今日はわざわざインタビューを受けてくださりありがとうございました!

せっかくなので、最後に日下会計事務所の強みなどを教えてください。

日下税理士:当会計事務所では、相談の際は納得いくまで無料で面談ができます。ぜひ税務のことで悩まれている方はご相談ください。

また、個人事業主の方だけでなく、相続や土地活用、不動産賃貸業にも強みを持っています。土地の活用方法や相続で悩まれている方はぜひご相談いただければと思います。

個人事業主の方で記帳や給与計算はご自身でされるという方の場合、クラウドで使える会計ソフトを無料提供しています。もちろん、全ての業務を丸投げしていただいても大丈夫です。

ぜひ大阪近郊の方は日下会計事務所へご相談いただければと思います。

日下会計事務所
電話番号 06-6764-0845
公式HP https://www.kaikei-home.com/ksk/
住所 542-0064
大阪市中央区上汐2-5-24 KSKビル

筆者:ありがとうございます。この記事をきっかけに税務や財務のことで悩んでいる方が日下会計事務所さんへ相談に行ったとしても、私には一切お金は入ってきません。(笑)

ただ、実際に法人化や税務のことで丁寧にお話してくれる点など、顧問契約をして良かったと思っているので、ぜひ大阪近郊の方は無料相談してみてください。放置するのが一番ダメですよ。

メモ

当サイトの読者の方で日下会計事務所へお問い合わせする場合は「クレコミを見た!」と言っていただければスムーズに面談等を進めてもらえますので、問い合わせ時にお伝えしてください。

税理士さんへのインタビューを終えて

日下会計事務所さんでは、インタビュー内容以外にも多くのお話をさせていただきました。

税理士選びの際に知っておきたい重要な内容についてもお話を聞かせていただいたのですが、その内容はオフレコだと言われたのでここでは書けませんでした。(笑)

税理士選びの際に基準にしがちな、税務署上がりの税理士さんのメリット・デメリットなどここでは書けない内容ではありますが、とても勉強になりました。気になる方はぜひ日下会計事務所さんへ無料面談に行ってみてください。

私が税理士さんを探した方法は税理士紹介サービスの『ビスカス』を使いました。

ビスカスを利用すれば、自分に合いそうな税理士さんを無料で紹介してくれますし、面談した人が合わなかったとしても、次から次へ無料で紹介してくれるので、税理士さん探しには使っておきたいサービスです。

今回インタビューさせていただいた日下会計事務所さんも、ビスカスからの紹介で顧問契約をしました。

日下税理士もインタビュー内で言ってたように、税理士を選ぶ際には少なくても3人以上は面談した方が良いので、こういったビスカスのようなサービスを使ってあなたに合った税理士さんを探してみてください。

大阪近郊の方であれば大阪の中心地、谷町9町目にある日下会計事務所にも無料面談の依頼をしてみてくださいね!ぜひお電話・問い合わせの際は「クレコミを見た!」と伝えていただければスムーズに進めてもらえますよ。